リナは声を押し殺した


｢…っん…｣


リナが絶頂を迎えようとしていた時、電車はひとつの駅に停車しようとしていた


｢ちょっとオッサン！｣


(…え？)


スッと痴漢の手がひいた



(あぁ…またイケなかった…)


そんな淫らなことを考えてしまった自分にハッとして、あたりを見回す


痴漢の姿はスッと消えた


周りの人はそんなに気にもとめてない様子である



(ホッ…)

声の主が話しかけてきた


｢大丈夫？｣


見上げると、スーツ姿の若い男だった


結構イケメンである


"大丈夫です、めちゃくちゃ感じて、気持ちよかったですから☆"、なんて返事が出来るわけがない


(そういえば見られてたのかな…)


顔を赤らめて返事をするリナ


いつの間にか学校を過ぎ、次の駅が家の最寄り駅だった


(今日は家に帰ってオ◯ニーしよう)


そんな淫らなことを考えているリナを、一区間スーツの男はさりげなく、守ってくれていた


(あぁ、優しい人だな)


停車駅が近づいてきた


｢どこの駅で降りるの？｣


｢次です｣


リナは恥ずかしいので、俯きながら答えた


｢良かった、俺も｣


プシューー


ドアが開き、一緒に降りる


先にスーツの男が歩き出した


(あ、お礼を言わなきゃ！)


｢あっ…あの、ありがとうございました！｣


スーツの男は、笑顔で｢いいって！｣と返事をした


その笑顔にリナはキュンとした


とっさに、｢時間ありますか？｣と聞いてしまった


｢家、すぐそこなんです｣


男性を家に連れ込もうとするリナ


果たして男性はリナに付いて行ってしまうのか


chao