### 第3話「夢の中の彼女」(その1)


同じホテル、同じ部屋。
男はまたもや彼女を指名していた。
心のどこかで、自分がなぜ彼女を呼び続けるのか、その答えを見つけられずにいた。
それでも、彼女に会うたびに彼の胸には懐かしさと、消せない欲望が入り混じった感情が広がっていった。

「今日もありがとう。いつもより少し早いわね」と、彼女は微笑みながら部屋に入ってきた。
彼女の声は相変わらず落ち着いていて、プロフェッショナルな雰囲気を崩さない。
しかし、彼女の笑顔にどこか違和感を覚えた男は、ソファに座ったままじっと彼女を見つめた。

「君は…本当に変わらないな。昔のかわいいままだ。」と、男はポツリと呟いた。

彼女は少し驚いた表情を見せたが、すぐに笑顔を作って答えた。「そうかしら？人は誰でも変わるわ、時間が経てば」

「そうだとしても、君と過ごす時間が、昔を思い出させるんだ。あの頃のことを忘れられない」と、彼は真剣な表情で彼女を見つめた。

「昔のことね…懐かしいけど、それはもう過去のことよ」と彼女は、少し寂しげに目を伏せながら答えた。

男はその言葉に少し驚き、彼女が過去について語ることがほとんどないことに気づいた。
彼女はいつも過去に触れることなく、今の自分を保ち続けているように見えた。
それが、どこか彼女との距離感を感じさせる原因になっていることを彼は感じていた。

「君にとって、過去の思い出ってそんなに価値がないのか？あの頃の君は、もっと…純粋で、明るかったと思うけど」と、男は少し躊躇しながら問いかけた。

彼女はしばらく沈黙した後、静かにため息をついて口を開いた。「私も、あの頃のことを忘れたわけじゃない。けど…今の私がいるのは、そういう思い出を置いてきたからかもしれない」

その言葉には、彼女が抱える苦しみや葛藤が滲んでいた。男はその重さに気づき、何かを言おうとしたが、言葉が見つからなかった。

「それより、今日はゆっくりしようか」と彼女は、ふと話題を変えるように微笑んだ。
そして、彼に手を差し出し、「お風呂、準備しておくわ」と軽やかに言って、浴室へと向かった。

彼はその背中を見送りながら、彼女が心の奥に何か大切なものを隠しているのではないかと感じた。彼女にもっと近づきたいという想いが胸の中で膨らんでいくが、彼女が作る壁に阻まれているようにも思えた。

浴室からは、お湯が溜まる音が静かに響いていた。
男はソファから立ち上がり、彼女が準備を終えるのを待ちながら、鏡越しに自分の姿を見つめた。

「お風呂、できたわよ」と彼女が戻ってきて、柔らかな声で告げる。彼は頷き、彼女に続いて浴室へと向かった。

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お話の続きのデータが消えてました◖⁠⚆⁠ᴥ⁠⚆⁠◗

いっぱい下書きとかしてたから、
間違えて消したんだろな〜。
まいったぁー💫
どうするべ。

終わらんかもかも🦆