暇つぶしのお噺
『ノーベル賞』

みなさま知っての通り、ここ数日ノーベル賞受賞者が発表されています。近年医学生理学・物理学などに日本人がノミネートされていたので、今年も期待が高まっていましたね。加えて、毎年『くるぞくるぞ』と文学賞に村上春樹の名前が上がりますが、どうやら今年は選出されなかったようです。

今年はアメリカの科学者たちがコンピュータの分野で栄誉を手にしているようです。
クラゲの発光タンパク質の発見や、青色ダイオードの発見や、iPS細胞に比べて、研究の場は実験室からパソコンに変わってきたんだなぁなどと考えてしまいますね。研究発表から受賞まで、なかなか日の目を見ない、日の目を見るまでに時間のかかるイメージだったノーベル賞ですが、ようやく時代に追いついてきた感があります。

ノーベル賞に数学賞がないのは有名な話。
ノーベルは数学者と仲が悪かったそうです。
ノーベルがダイナマイトを開発したのも有名な話。
ノーベル賞の賞金がノーベルのダイナマイト開発で稼いだお金を銀行に預けて創出される利息で運営されているのも有名な話ですね。

さらに『イグノーベル賞』という一見馬鹿げた研究を表彰するノーベル賞のパロディのような賞もあります。一見馬鹿げているようですが、研究者は本気そのもの。例えばジェットコースターで胆石の排出ができるなんてのは、かなり実用的な研究ですよね。『幼女から注意をされる』と最も心に響く、という研究だったり、スピーチが8分以上続くと観衆は飽き飽きしてしまうという、社会科学的研究も取り上げられていて、面白いですよ。

人生は何かを為すには短すぎるが、何も為さないには長すぎる。とは、多くの偉人たちが口にしてきた言葉。

もしわたしが、研究に没頭していい50年を与えられたなら『経済の永久機関』でも探索するでしょうか。はたまた『脊髄の再生』か『認知症の治療法』でも探すでしょうか。

臨床（現場）と研究室は全く別物で、なかなか研究結果が実用的に評価されるのは難しいです。ノーベル賞やイグノーベル賞が基礎研究や研究の体系化への理解を少し進めてくれることを願っています。