３０年近く前の話です。
今どきは「いかにも」という反社の人を見かけなくなりましたが、昔は北九州でたくさん見かけました。

その当時の夏、男女２０人くらいのグループで海に行きました。

夕方近くなって帰ることになり、男性陣が遠くに止めた車を取りに行く間、女性陣は海の家で待っていました。

そこへ反社の人々が二十数名くらいゾロゾロやって来て、海の家のテーブルに腰かけました。

全員上半身裸で、色とりどりのお絵かき丸出しです(◎-◎;)

ジロジロ見るわけにもいかないので、男性陣が早く迎えに来ることを願いつつ、私たちは背中を向けて黙ってカタまっていました。

そこへ仕出し屋さんからたくさんの料理が運ばれて来て、反社の人々のテーブルに並べられました。

お腹がすいていた私は、それをチラッと見て「おいしそうだな」と思いました。

その次の瞬間！
女性陣の中の幼い息子さんがトコトコ歩いて行って、反社の人々のテーブルの鳥の唐揚げをわしづかみにしたのです。一瞬にして空気が凍りつきました。

すかさず、その子の母親が飛んで行って「申し訳ありません！」と反社の人々に頭を下げました。

すると親分格らしき人が「いいやないか！子どものしたことやないか！食わせてやれ！」と言いました。

ホッとしました。

その男の子は体格が良く、子どもなのにどこかふてぶてしいような妙な貫禄のある子でした。

無心に唐揚げを頬張っている姿を見て「あんた、きっと将来大物になるばい」と思いました(笑)