…知ってしまった
もう引き返すことは、できない…
生まれて初めてだった

独特な黒蜜色した、しっとりと滑らかな肌
ぶつぶつと舌触りに主張してくる突起物
上品なくせに、たぶらかしてくる
小豆の甘い誘い

自分に自信があるからこその
確信に満ちた小ぶりなスタイル

手のひらサイズの柔らかで
肌に吸いつくような…思わず喉が鳴る重さ

名は黒松と言ったか…
押入れにいる青いタヌキもどきの猫には
絶対教えてはいけない禁断の美味さ…

あぁぁぁあああああ！！！
なんて…なんて罪深い…まさに強欲！！

豹柄な柔肌が忘れられず眠れぬ日が続く
廃人となり夢うつつを彷徨うほどに

こうして今も思い出すだけで
胸が掻き乱され、求めてしまう

深い海の底に眠る
セイレーンに惑わされた船乗りのような気分だ
骨だけになっても、愛しいセイレーンの為に
陽気に歌を歌い愛を捧ぐ…
そう、まさに骨抜き

黒松のどら焼き…なんて悪い子




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