いったい私は、
どうしてしまったのでしょう。
駄目だ嫌だと思いながらも、
身体はふらふらと言うことを聞かずに
毎日毎夜、例の店先をくぐり
あの真っ白で滑らかな肌を
穴が開くほど見つめてしまうのです。
求められずにはいられない。
気づけば金を握り締めて立ち並ぶばかり…

ええ、ええ。
それは驚くほど魅惑的…いいや、
むしろ蠱惑的な姿で私を誘うのです。

ぬけるような白い柔肌に、
いやらしい曲線をえがいた身体は
見る者の心を奪い夢中にさせるのです。
そのくせ近寄る者を容赦なく凍りつかせ、
萎縮させてしまう。
それはまるで雪の女王さながらの気品すら
感じさせるほどです。

ところが私ときたら、どうでしょう。
夏の暑い外気をまとった身体は全身汗ばみ、
毎日毎日、目だけはギラギラとさせ
飢えた狼か汚らしく卑しい者のようで
後ろめたさすらありました。

けれども私は、
絹のような冷んやりした肌に舌をつけ
じっくりと舐めまわし、
隆起した先端を舌先で押しつぶし
ねぶるように吸いつき、噛みつき、
どこまでも蹂躙しつくしたい一心です。
支配的、独占的に
ただただ思う存分に味わいたいのです。

あれは正に人を惑わす悪鬼、
魑魅魍魎の類かもしれません。

あの退廃的に甘く、人を凍りつかせる
魔性ののようなソフトクリームは。


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