しおり
清楚で可憐な美人さん
32歳/T156cm/B80(B)-W57-H79
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2024年12月5日(木) 11:01
こんにちは、しおりですimg


明日12/6(金)
?12:00〜19:00出勤です?



12/12(木)と12/19(木)も
同じ12:00〜19:00で出勤!



そしておそらく!まだ確定ではありませんが
?12/25(水)クリスマス当日?
も出勤のつもりです♪



初心忘れず後悔させない接客をモットーに♪
よろしくお願いしますm(_ _)m



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わたくし、マンションのコンシェルジュとミセスシンデレラ二足のわらじを履いています。
この二足のわらじ生活は長い…!
全く自慢にならないけれど、諸事情もあって私は今までコンシェルジュと並行して様々な仕事をしてきたのです。
そのうちのひとつがコールセンターのお仕事。
私はオペレーター(電話をとりまくる人)を経験したのち、オペレーターさん達への指導や補助を担当しておりました。
今でも忘れられないオペレーターさんは何人かいらっしゃるが、今日はNさんのことを書こうと思う。

Nさんは研修の時から
「この人に電話を取らせたらまずい」
と指導側全員に思われるタイプの人だった。

お人柄は控えめで優しい方なのだが、彼女は致命的に接客に向いていなかった。

どんなに向いていなくともコールセンターに派遣として来たからにはNさんには電話をとってもらわねばならない。

Nさんが現場デビューしてからフォローすることが私の仕事だった。
すぐにパニックになってしまい何を話せばいいか分からなくなってしまうNさん。
頻繁に電話を保留にするのに手を上げて助けを求めずに、何故か独力で解決しようとし温厚なお客様もたやすく激怒させるNさん。
日に日に萎縮し、自信を無くしていくこともマイナスに働いていた。
異例の追加研修が行われ(Nさんひとりの吊るし上げにならないよう数名が選ばれた)私は教える側として小さな教室に立った。
その日の研修内容は「契約者の氏名変更」だった。
どういった分野のコールセンターかは伏せますが、契約者変更というのはわりとどこのコールセンターにもあるお電話。
研修の概要はこんな感じであった↓
契約者本人からのお電話が入る(もちろんここで本人確認をするがNさんは平気でそれをすっ飛ばすのである)
契約者から氏名を変更したいとの申出がある。これはほとんどが女性である。
契約者から「結婚して名字が変わったので…」と言われた場合は「ご結婚おめでとうございます」と言い添えるとスマートである。言う義務は無いが当コールセンターではそれを推奨している。
この後Nさんは前例の無い大炎上を引き起こすのだが、それはが原因であった。
Nさんにはが義務でないことは優しく何度も言い含めた。
それ以前の対応でパニックを起こしてしまうからである。
しかし優しいNさんは、電話の向こうの新婚さんを言祝ぎたいという気持ちがあった。
あるいはミスしてばかりの自分も気の利いた応対をしたいというプライドもあったのかもしれない。
大炎上が起きた当日、朝一番からNさんはあれこれとしでかしており散々であった。
私と同じ役職の男性S氏はNさんに心底うんざりしており「次のNさんの応対は2人で聞こうよ…1人だとしんどいわ」と言ってきたのを覚えている。
※どこのコールセンターでも管理者側は通話を聞くことが可能です。


そして運命の電話が入った。
「すみません名字が変わったので契約者の氏名を変えたいのですけど」
声からして若い女性のお客様。
途端にNさんはソワソワしだした。
きっと頭の中は「結婚→おめでとうございます。結婚→おめでとうございます」という思考でいっぱいなのだろうと思われた。
ここで私は嫌な予感がした。
例外も…勿論…研修で教えたはずだ。
でもあのソワソワは…と。 
特訓の甲斐あって、Nさんは本人確認は問題なく終えることが出来た。
私は嫌な汗が止まらなかった。
PC画面上に念の為注意事項を送るか?いや、そんなことをしたら絶対に彼女はパニックを起こしてしまう。
以前画面上に飛んできた指示をそのままお客様に対し音読してしまったこともある。
契約者氏名変更の手続きに進んでいる時、Nさんの狼狽具合はピークに達していた。
そう、お客様が「結婚」の二文字を言ってくれないので「おめでとうございます」を言うタイミングが掴めないのだ!背中にそう書いてある!
もうこのままお電話終了となって良い頃合いで、隣の男性S氏は油断してあくびをしていた。
彼はこれから起こり得る悪夢を想像できていない。
(お願いだからそのまま終話して…!)とヘッドホンをしながら私は祈っていた。


祈りは届かず私の耳に悪夢が飛び込んできた。
「お、お客様!お電話の最後に失礼します!ご名字が変わる理由は!な、なんでしょうかっ?」
「え…?離婚ですけど。なんでそんなこと聞くわけ?は?どういうことよ。関係ないでしょ?」
バーニングである。 

Nさんは完全にフリーズ。
隣のS氏はS氏で、Nさんの珍質問の理由が分からないまま怒りでフリーズしていた。

私はダッシュでNさんのもとに駆けつけ、応対を交代することをジェスチャーで伝えた。
震えて泣きはじめたNさんを気の毒に思う気持ちがあった。
気持ちは痛いほど分かる、教えられた通りに「ご結婚おめでとうございます」が言いたかったんだよね…。
私が研修で彼女を追い詰めてしまったのかもしれない。
目線と笑顔でNさんに励ましを送り、チャットでS氏に
「Nさんへの指導は私に任せて下さい。Nさん混乱しているので5分休憩させて、まだ指導しないようにして下さい」
と依頼。
お客様に
「恐れ入ります対応を交代させて頂きます。上席のしおりです」
と伝えたところお客様の怒りと困惑は案の定ピークに達しており、私はその日長い長い謝罪を繰り返したのでした。

確かにNさんは接客に向いていない。
臨機応変に話すということができない。
コールセンター内では残念ながら無能の烙印を押されてしまうだろう。
その日のことは後日一部でシリアスな話にもなったし、更に日が経って笑い話にもなった。
 
でもあの日Nさんの背中から発せられていた「おめでとうと言いたい」という切なる気持ちを私は忘れる事が出来ない。
私の勝手な想像ですが「おめでとうございます」の後の「ありがとう」も言われたかったのだと思います。

本質的に彼女が善人だったからこそ、あの不器用さが切なかった。

ああ、伝えるって本当に難しい。


Nさんがどこかで適職に出会えていることを願っています。

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