泥のような底なしの虚無。はたまた眩い程の幸せに身を浸しながら
私達は末始終それぞれの場所でそれぞれの現実と向き合い、生きる。
しかしながらその様な日常をお過ごしの中で
ふと、貴方は『私』や
私と共有したあの『』を思い出す。
思い出しては欲を掻き、引き摺り出すこともあるのでしょう。
信号待ち。澄み渡る空には不釣り合いな光景が
スライドのように嵌め込まれる。
休日の出先。似た香りを纏う女性と擦れ違う。
自慰をする。四角い画面の中を見遣るも
私のあの目が浮かび上がる。
頭を悩ませ祈れども、こうして現実は進むのだから。
非現実はきっと、貴方と私の逃避場所。