こんばんは。お疲れ様です。
前回は「沙羅双樹の花の色」「平家物語」
について綴りました。
今回はその続きではありませんが、平家物語で
ちょっと気になるエピソードについて
綴りたいと思います。
平家物語といえば、全盛期だった平家が
源氏に滅ぼされるまでの物語を
「滅びの美学」として描いたお話ですよね？
なので、屈強な武士の活躍がメインだと思うのですが、女性たちの哀しく、儚いエピソードも
含まれています。
平家物語に登場する「巴」という女性を
ご存知ですか？ 「巴」は源義仲に仕えていた
女武者でしたが、戦場では誰にも負けず、
美しかった「巴」は義仲の愛人でもありました。
頼朝軍に追い詰められた、義仲軍の数少ない武者のなかに「巴」も残ったのですが、
死を悟った義仲は
「お前は女だからどこにでも逃げろ」
と「巴」を説得します。「巴」は愛する義仲に
最後まで添い遂げたいと考えますが、
敵を倒した後、甲冑を脱ぎ捨てて走り去ります
私が思うところは、
彼女は本当に元から強かったのだろうか?
ということです。確かに武術のセンスは
元々あったのかもしれません。
でも、このセンスをいかして「自分だけの立場」を得ようとしたのではないか、と
思うのです。公にそばにいることはできないけど、愛する人にとって「女」であり、時に
「ブレイン」であるという…
唯一無二で、誰にも邪魔されない立場を…
そして勿論、最期（死）の場面に
添い遂げることの出来る女性は私…
走り去らなくても「巴」だったら
敵を倒し続けることもできたでょう
（勿論最後はやられてしまいますが）
でも、甲冑を脱ぎ捨てて走り去るのです。
甲冑を捨てたのは、もう、守るべき人、
戦うべき戦がなくなってしまったことを
意味しているのではないでしょうか…
「巴」はとてもとても強い女性として描かれていますが、それは全て
「義仲のそばにいるため」
そして、走り去るときに流した涙は、
（最後は私のことを想ってくれた）
という女々しい涙だったと思うのです。
このラストシーンだけ「巴」が
強くないところを見せるのです（泣）。
最後まで読んでくれて
ありがとう。
貴方は誰の最期を添い遂げたいですか?
最期は誰にいてほしいですか?
私は…
それでは… 高倉 洋子
