今はスマホで手軽に検索できるので、ほしい情報があっという間に手に入ります。短時間に、迷うことなくピンポイントで。
ただし、手間をかけない分、忘れるのもあっという間です。
スマホが無かった頃は、辞書や辞典と首っ引きでした。探すのに手間取ることもありましたが、調べている最中に他に気になっていたことを偶然見つけたり、本来と全く関係のない事柄に行き当たって、それに興味を惹かれて深追いするうち「迷子」になったりと、ちょっと宝探しのような面白さがありました。
調べた内容だけではなく、どういう理由でどこで調べた、という行為そのものをはっきりと覚えている場合もあります。
得た知識だけではなく、調べた経験やその思い出も、宝物だということです。
今思えば、スマホの無い時代には、面倒で豊かで贅沢な時間をたくさん持っていました。
忙しいと、ついスマホで調べて終わってしまいます。これからは、「忙しい」のを言い訳にせず、時にはスマホを脇に置いて、書物の中でゆっくり迷子になる時間を楽しみたいと思っています。