「Sなんですか?」
と聞かれて「君がそう思うならそうなんだろうね」などと曖昧に答えつつもあまりしっくりきていなかったのだけれど
なんとなく腑に落ちる理屈を思い付いたので文章にします。
サディスト像はいくつあってもいいのに。肉体的な痛みに重きを置くものなのか、精神的な支配性のものなのかによっても月とすっぽんほど違う筈なのにその了解も得ないままなんとなくぼんやり漠然とした『攻めるのが好き』像に収斂してしまっているようでもったいない。
だから「Sなんですか?」という問は
まるで「あなたは昨日の夢に似ていますか?」といきなり聞くようで玉虫色でナンセンスな質問だから答えようがなかったのだな、と。
昨日の夢?誰の夢?どんな?夢、夜寝ている間に見る夢?それとも将来の展望や目標の方の夢のこと?
そもそもSかどうかはアプリオリで相対的で、
自分の意思でSになりたい!と願えばなれるような、そんな簡単なものではないんじゃないかな。
もしシャチみたいに大きくて強く美しく、聡明で俊敏でえろい生き物が地上に存在したら、人間なんて呆気なく滅びるでしょう。
でも残念ながら地上にシャチは居ない。
確かにわたしは自分で出した精液くらい自分で飲めて欲しいし、敏感な人の尿道を責めて「こんな感覚はじめて!」と悶える姿を見るのが好きだしそうした挑戦を心から応援した。
イッた後も責められ続けて潮を吹いてしまう︎というのも可愛くて可哀想で良いシチュエーションだしそういう時の表情が見たい。だから本当は別の第三者に虐められているところを眺めているだけでも十分満足なのだけれどそうしたシチュエーションの方が現実的に実現するのが難しいので仕方なく自分が手を下している?という側面もあって。
そして別に嫌がる人間に無理強いしてまでそういうことがしたいかと言われるとそうでもない。あくまでわたしは自由意思を尊重したい。
「自分で選んでぐずぐずになりに来ちゃったんだね、あーあ。」という方が尚更、うんと可愛いから。
よって支配のSではないのだけれど自分でバンジージャンプを飛んだり鍛えたりするストイックのSではあるし、
だいたいの変態には動じない若干サイコパスのSでもある。
サービスのSでもあるかもしれない。
わたしがあなたのことを滅茶苦茶にしようと思うよりも前に
視線で射貫かれれば、
傍に寄ってぐっと顔を近付ければ、
勝手に期待して勝手に興奮して鳥肌が立ってしまうんでしょう?
滅茶苦茶にするんじゃないの。
あなたが勝手に滅茶苦茶になるの。
この違い、わかるかしら?
「Sなんですか?」なんてつまらない質問をする人はきっとこの文章を読まないだろうから良いことにします。