中学生の頃の話


私は吹奏楽部でした。

吹奏楽といえば、夏のコンクールが一大イベントで

それは5名ほどの審査員によって代表が選ばれるという仕組みです。

(審査員席は、だいたい2Fのセンター)

審査員からの心象なども講評に左右されますので

曲のクオリティはもちろん大切ですが、それ以外に舞台での立ち振る舞いや、髪型の研究も行います。

例えば前髪。

前髪をおろしていると、審査員席(上から)見た際に、舞台上の「黒い部分」が多くなってしまい、暗い印象になるため

前髪をゴムで縛り、ピン留めするという髪型は強制でした。

他にも、入場の際に足音は立てないことや課題曲と自由曲の間の作り方なども徹底的に練習します。



こんな風に、色んな練習をしていた我々ですが、最初に触れた通り、当然曲のクオリティが一番大切です。

その年は、とある歌劇を自由曲に選んだ私たち。

あるとき、顧問&レッスンの先生が、こんなことを言いました。

【このシーンは泣かせどころや！お前ら分かるか！？自由曲の中で一番『見て！』とアピールせにゃならん！】


↑この一言から、どうやって審査員(と会場の人たち)に「見て」とアピールをするか？という流れになり、採択されたのは

【泣かせどころには入ったら、全員が審査員の方を向いて吹く】という方法でした。